言葉の遣い方が気になる人へ。言葉は時代とともに変化していく。
こんにちは!
Asobiba館長のくぼです♪
ぼくは普段学童保育所やAsobibaで働いているので、たくさんの子どもと接する機会があるんです。
その中で最近よく聞くのは「最近の子の言葉遣いって変じゃない?」ということ。
そうなのかな?と考えていたところ、『国語に関する世論調査』というおもしろい情報を見つけました。
これは、「社会状況の変化に伴う日本人の国語に関する意識や理解の状況」を調査するもので、言葉遣いってどういう風に変化していったんだろうか?ということが読み取れる資料になっています。
今日はそんな『国語に関する世論調査』をもとに、年々変化していく言葉の変化と、それに対する考え方をお話しできればと思います。
先に結論を言ってしまうと、「”正しい言葉遣い”って年々変化していってるんだから、大人も受け入れなきゃね」って話です。
それではいってみましょう♪
『国語に関する世論調査』って?
これは毎年、文化庁が発行している全国6,000人あまりを対象にした調査で、
「現在の社会状況の変化に伴う日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案に資するとともに、国民の国語に関する興味・関心を喚起する。」
出典:国語に関する世論調査
という目的のもと実施されています。
難しい言い回しで、なんのこっちゃ?と思うかもしれませんが、要はどれくらい日本語を大切にしていますか?どれくらい日本語に関心がありますか?みたいな内容です。
実際の資料を見てみたい方は、下の文化庁ホームページからどうぞ。
言葉の変化そのものが良いか悪いか評価するような資料ではなく、純粋に実態を調査したものになっていて、古いものだと平成7年からの資料が残っているみたいです。
「日本語を大切にしてますか?」
「気になる言葉の遣い方はありますか」
といったものから、時代の世相を反映して
「マスクをつけると話し方や態度は変わりますか?」
といった内容の調査まで、言葉に関する調査が年代別に行われています。
若年層から年配の方まで、言葉に対する考え方の違いを見られる調査になっているので、なかなかおもしろい調査ですよね。
言葉の変化に疑問を持つのは、今の人たちだけ?
普段われわれが日常会話の中で使っているような言葉も、年代によっては「気になる言葉」ということが多いんですね。
「めっちゃ」
「じみに」
これらの言葉、みなさんは使っていますか?
ぼくは”めっちゃ”使ってます(笑)
令和2年度の調査では、いずれの言葉も30代までを中心に約90%以上の人が「使っている」と答えた一方、50代以上になると半数近くまで使う人は少なくなっています。
そりゃ、親世代と子世代で使う言葉が変わってくるのは当たり前って気がしませんか?
また同年の調査では、「今の言葉は乱れている」と答えていた人は約66%という結果も出ていました。
調査対象になった人の2/3くらいの人が、言葉の乱れを感じているってことです・・・
じゃあ何年か前に遡って、当時の人たちはどうだったの?っていうのを調べてみると、これもおもしろい調査結果が出てきました。
今から十数年前、平成19年の調査でも「今の言葉は乱れている」と答えた人の割合は79.5%!
さらに前の平成7年、今から約25年前の調査でも、「今の言葉は乱れている」との調査に約73%の人が「そう思う」と答えているんです。
意外でしたか?それとも「そりゃそうだ」と思いました?
こう見ると、ぼくが小学生のころにも同じように思われてたんだなぁ・・・
調査を通して感じることは、何年か前に「今の人たちは言葉遣いが乱れてるなぁ」と思われていた人も、今は逆の立場で「最近の人は・・・」て思っているということ。
そしておそらく、50年前も100年前も、さらに50年後も100年後も同じようにずっと続いていくということではないでしょうか。
ぼくらの大先輩である清少納言も、『枕草子』の中で若者の言葉の乱れを「悪し」と嘆いています。
いとをかしですね(笑)
言葉の変化との向き合い方
上でも話したように、言葉の変化はいつの時代も当たり前のことなんですね。
言葉はコミュニティであり、仲間内での言葉、社会の中での言葉、その時代の言葉があります。
新しいものが生まれるように、言葉についても新しい言葉が生まれてくるのは、時代の流れから当然のことだと思っています。
衰退しているわけでもなく、否定するものでもなく、正しい時代の変化として受け入れていくのが、言葉との上手な付き合い方だとぼく自身考えています。
大切なのは、「どんな言葉か」ではなくて、「どうやって使うか」
使う場面や使う相手、使い方(伝え方)といった根元の部分を、子ども達には教えていきたいですね。
まとめ
今回は、文化庁の発行している『国語に関する世論調査』をもとに、言葉の変化について考えてきました。
いつの時代も「今の言葉は乱れている」と感じる人は多くいますが、それは今も昔も変わらないということ。
大切なのは「使うもの」よりも「使い方」ですよね、ってところがぼくの考えです。
学童・Asobibaで関わる子どもや自分自身の子ども、たくさんの子どもと接し「言葉」を使ってコミュニケーションをとっている立場だからこそ、どうやって「言葉」という道具を使いこなすのかが気になってしまいますよね。
ぼくも「悪い言葉遣いだ」とすぐに決めつけないで、一つひとつの言葉に柔軟に耳を傾け、言葉の変化を楽しんでいこうと思います。
Asobibaからは以上で~す☆